エゴサーチ

企業がエゴサーチを行うべき理由と詳しいやり方のポイントを解説

企業がより向上していくためには、自社の知名度や評判など、現状を理解することが大切です。検索サイトやSNSを利用したエゴサーチでは、消費者が企業に抱くブランドイメージや評判をリアルタイムで知ることができます。

また、検索結果の件数などから企業の知名度を図ったり、書き込み内容から見込み客を把握したりできるため、今後のマーケティング戦略に有効活用できます。

今回は、企業がエゴサーチを行うべき3つの理由よ、検索方法について解説します。

企業がエゴサーチを行うべき理由

企業がエゴサーチを行うべき最大の理由は、インターネットを活用し、手軽に自社の評判や知名度を把握できる点にあります。また、自社のサービスや商品に興味を持つ消費者の存在を把握できるというメリットもあります。それぞれ詳しく見てきましょう。

1. 企業の印象や評判がわかる

インターネット上で情報や意見を交わすSNSや匿名掲示板、自分の興味あるテーマや日常を綴るブログなどは、比較的匿名性の高く、本音を書きやすい場です。そのため、消費者が企業に対して抱いている印象や商品・サービスの評判などをダイレクトに知ることができます。

2. 企業の知名度がわかる

TwitterなどのSNSでエゴサーチをすると、自社の商品やサービスについての書き込みが一覧表示されるため、自社が今どれだけ知名度があるのかを測ることも可能です。また、書き込みの内容で、自社が「どんなことをしている会社なのか」「その商品やサービスがどのようなことに役立つか」といった認知度がわかります。

企業にとって知名度・認知度の調査は重要な課題の1つです。知名度や認知度がどれだけ高いかによって、広告の出し方なども変わってくるでしょう。

3. 「見込み客」の存在を把握できる

エゴサーチをしていると、「〇〇(商品名)って良いのかな」「〇〇(企業名)のあのサービスを利用したい」など、自社の商品やサービスが気になっている消費者、いわゆる「見込み客」を見つけることができます。

見込み客を把握できれば、より消費者が商品やサービスを利用したいと思うような広告・宣伝を展開するなど、見込み客から顧客になってもらえるようなアプローチを仕掛けていけるでしょう。

そもそもエゴサーチとは?

エゴサーチ(ego search)とは、検索サイトやSNSを利用して、インターネット上で自分の印象や評判を調べる行為です。自身の名前(本名もくしはハンドルネーム、芸名)、企業の場合は企業名や商品名、サービス名で検索し、インターネット上での評判や感想を確認します。

TwitterなどのSNSは匿名性が高く、消費者の本音が書き込まれやすい傾向です。そのため、エゴサーチでは良い評判だけでなく、悪い評判、場合によってはバッシングのような書き込みを発見することも珍しくありません。エゴサーチをする際は、そういったリスクを理解した上で消費者の意見を受け止める必要があります。

悪い評判にも耳を傾けることで、商品やサービスの改善、社内環境の見直し、リスクマネジメントなどに役立てることができます。

また、ときには企業に対する誹謗中傷を見つけることもあります。このような書き込みを放置していると、風評被害を拡散してしまう可能性があるでしょう。エゴサーチによって誹謗中傷を見つけたら、悪質度によっては法的処置を講ずるといった対処が必要です。

企業がエゴサーチを行う際の注意点

企業がエゴサーチを行う際は、以下のつに注意しましょう。

1. エゴサーチを1回限りで終わらせない

エゴサーチによって会社の評判や改善点を把握したり、炎上案件を早期発見するためには、エゴサーチを1度だけで終わらせないことです。消費者の声をリアルタイムで拾っていくためには、每日、または2日に1回など、できるだけ短い間隔で、定期的に行うことが必要です。

2. 膨大な情報がヒットしたときの対応策を考えておく

エゴサーチでヒットした情報が膨大な数に及んだとき、そのすべての意見を参考にすることは難しいでしょう。膨大な意見のなかから、どういった意見をピックアップしていくか、その意見をどのようにまとめていくか、事前に対応策を考えておくことが必要です。また、まとめあげた情報の具体的な活用方法についても決めておきましょう。

3. エゴサーチを嫌う消費者がいることを理解しておく

エゴサーチをする際に理解しておきたいのが、消費者のなかには企業がエゴサーチを行うことについて、嫌悪感を抱いている人もいるということです。

エゴサーチは、あくまで企業イメージを知るための実態調査であることを前提に行いましょう。あまり戦略的な面を見せてしまうのは好ましくありません。企業のエゴサーチを嫌がる一定数の消費者に発覚した際、企業に対する批判につながり、SNSで拡散される可能性もあります。

企業がエゴサーチを行う方法(SNS種類別)

企業がエゴサーチを行う方法について、SNSの種類別に紹介します。

1. 最も気軽に行えるGoogleなど検索サイトでのエゴサーチ

エゴサーチの最もシンプルな方法は、GoogleやYahoo!などの検索サイトと利用することです。自社名や自社商品などで検索し、検索結果の一覧から消費者の声を拾っていきます。

直近の評判やコメントを見たい場合は、期間指定や日付指定を利用しましょう。

2. 消費者のリアルタイムの声が拾いやすいTwitterでのエゴサーチ

短い文章で「今」の声を発信するTwitterは、消費者の生の声をリアルタイムで収集できるSNSです。リツイート利用した拡散力も高く、Twitterを有効利用できるかどうかで企業戦略も大きく変わってきます。

Twitterでの上手なエゴサーチ方法は、自社名や自社商品名だけで検索するのではなく、「自社商品名 欲しい」「自社名 気になる」 など、複数のキーワードを組み合わせることがポイントです。

3. 若年層の意見を収集できるInstagramでのエゴサーチ

Instagramは画像や動画をメインとしたSNSで、トレンドに敏感な10〜20代の若者は多く利用しています。若年層の意見を拾いたいときにぜひ活用したいSNSです。

Instagramの検索画面には、アカウント、ハッシュタグ、スポットの3種類があります。企業のエゴサーチでは、ハッシュタグを選びましょう。#自社商品名など、検索ワードの先頭に#をつけて検索する方法です。

期間限定のキャンペーンなどを行っている場合は、事前に独自のハッシュタグを宣伝し、ユーザーに使用してもらうよう誘導しておきましょう。キャンペーン期間中にその独自タグで検索すれば、ピンポイントでエゴサーチを行うことができます。

企業がエゴサーチ後に行うべき対策

エゴサーチによって得た情報は、企業イメージを向上させるための対策に活用しましょう。

1. 消費者が抱く自社の強みを理解し新たなブランドコンセプトを確立する

エゴサーチでは、それまで企業自身が認識していなかった自社の強みや弱みを改めて知ることができます。消費者から見た自社の強みを理解することで、企業のブランドコンセプトについて、改めて考えることができるでしょう。

また、そこから消費者に抱いてほしいブランドイメージを膨らませ、10〜20代にはTwitterやInstagramを活用、40代以降には広告やTVCMを出すなど、特定のターゲットへの効果的な情報発信について話し合っていく必要があります。

エゴサーチの情報を有効に活用し、自社の強みを全面に押し出した企業イメージを定着させることで、ライバル企業との差別化を図っていきます。

2. ネガティブな評判から自社の競争優位性を見直す

エゴサーチによって、「〇〇(自社名)のあの商品は△△(他社名)の定番商品に似ている」といった、自社の競争優位性に問題があるかのような意見を見つけた場合は、企業の内部環境を分析し、状況に応じて改善していく必要があります。分析方法としては、経済価値(Value)・希少性(Rarity)・模倣困難性(Inimitability)から、組織(Organization)経営資源の優位性をを評価するVRIO分析があります。

エゴサーチを活用して企業ブランドイメージ向上に役立てよう

企業がエゴサーチを行うメリットは、特別な費用をかけずに自社のブランドイメージをリアルタイムで知ることができる点です。また、見込み客の発見や、クレームなどを事前に把握することで、今後のマーケティング戦略の参考にしたり、リスクマネジメントの役立てることも可能です。

エゴサーチは一度だけでなく、間隔を決めて定期的に行いましょう。できるだけタイムリーな声を拾いたい場合は、每日または2日1回の頻度で行うと良いでしょう。また、Google、Twitter、Instagramなど、検索サイトやSNSごとにエゴサーチを行うことで、違った視点の意見を取り入れることができるでしょう。